1907-09-23
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제24호
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條約
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日露通商航海條約
(條約第4號)
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朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ日本國及露西亞國間ニ締結シタル日露通商航海條約及同條約附屬別約ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム御名御璽明治四十年九月十一日內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望外務大臣 子爵 林董條約第四號日露通商航海條約日本國皇帝陛下及全露西亞國皇帝陛下ハ兩國通商上ノ關係ヲ進捗セシメムコトヲ希望シ「ポーツマス」ニ於テ調印セラレタル講和條約第十二條ノ規定ニ基キ公正ノ主義ト相互ノ利益ヲ基礎トシテ一ノ通商航海條約ヲ締結スルコトニ決シ之カ爲日本國皇帝陛下ハ露西亞國駐箚特命全權公使法學博士本野一郞ヲ全露西亞國皇通陛下ハ外務大臣「メートル、ド、ラ、クール」、「アレキサンドル、イズヴォルスキー」商工務大臣「マンブル、ヂユ、コンセイユ、ド、ランピール」、「エキュイエー、ド、ラ、クール」、「ドミトリ、フィロゾフォフ」及上院議員「メートル、ド、ラ、クール」、「ニコラ、マレヴスキー、マレヴィッチ」ヲ各其ノ全權委員ニ任命セリ因テ各全權委員ハ互ニ其ノ委任狀ヲ示シ其ノ良好妥當ナルヲ認メ左ノ諸條ヲ協議決定セリ第一條兩締約國ノ一方ノ臣民ハ他ノ一方ノ版圖內ニ於テ其ノ國ノ法律ニ遵由シ何レノ所ニ到リ、旅行シ又ハ居住スルモ全ク隨意タルヘク面シテ其ノ身體及財産ニ對シテハ完全ナル保護ヲ享受スヘシ該臣民ハ其ノ權利ヲ伸張シ及防護セムカ爲自由ニ且容易ニ裁判所ニ訴出ルコトヲ得ヘク又該裁判所ニ於テ其ノ權利ヲ伸張シ及防護スルニ付內國臣民ト同樣ニ代言人、辯護人及代人ヲ選擇シ且使用スルコトヲ得ヘク而シテ右ノ外司法取扱ニ關スル各般ノ事項ニ關シテ內國臣民ノ享有スル總テノ權利及特典ヲ享有スヘシ住居權、旅行權及各種動産ノ所有、遺言其ノ他ノ方法ニ因ル動産ノ移轉及合法ニ取得スル各種財産ノ處分ニ關シ兩締約國ノ一方ノ臣民ハ他ノ一方ノ版圖內ニ在リテ內國臣民又ハ最惠國ノ臣民若ハ人民ト同樣ノ特典、自由及權利ヲ享有シ且此等ノ事項ニ關シテハ內國臣民又ハ最惠國ノ臣民若ハ人民ニ比シテ多額ノ稅金又ハ賦課金テ徵收セラルルコトナカルヘシ兩締約國ノ一方ノ臣民ハ他ノ一方ノ版圖內ニ於テ良心ニ關シ完全ナル自由ヲ享有シ及法律、命令及規則ニ從テ公私ノ禮邦ヲ行フコトヲ得竝其ノ宗敎上ノ慣習ニ從ヒ埋葬又ハ火葬ノ爲設置保存セラルル適當便宜ノ地ニ自國人ヲ埋葬又ハ火葬スルノ權利ヲ享有スヘシ農業、不動産ノ所有權竝其ノ他何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハス土地ノ保有ニ關スル各般ノ事項ニ付テハ露西亞國ニ於ケル日本國臣民及日本國ニ於ケル露西亞國臣民ハ最惠國ノ臣民又ハ人民ト均等ノ取扱ヲ受クヘキモノス何等ノ名義ヲ以テスルモ該臣民ヲシテ內國臣民又ハ最惠國ノ臣民若ハ人民ノ現ニ納付シ又ハ將來納付スヘキモノニ異ルカ又ハ之ヨリ多額ノ賦課金又ハ租稅ヲ納付セシムルヲ得ス兩締約國ノ一方ノ臣民ニシテ他ノ一方ノ版圖內ニ住居スル者ハ陸軍、海軍、護國軍、民兵等ニ論ナク總テ强迫兵役ヲ免カレ且其服役ノ代トシテ取立ル所ノ一切ノ納金ヲ免カレ又一切ノ强募公債及軍事上ノ賦斂又ハ捐資ヲ免カルヘシ前記ノ免除ハ不動産ノ所有ニ附著スル所ノ賦課金及一般ノ內國臣民カ不動産ノ所有者、小作人、賃借者又ハ保有者トシテ負擔スルコトアルヘキ軍事上ノ賦役及徵發ヲ包含セサルモノトス第二條兩締約國ノ間ニハ相互ニ通商航海ノ自由アルヘシ兩締約國ノ一方ノ臣民ハ他ノ一方ノ版圖內何レノ所ニ於テモ其ノ國ノ法律、命令及規則ニ遵由シテ總テ工業又ハ手工業ニ從事シ正業ニ屬スル各種ノ生産物、製造品及貨物ノ卸賣又ハ小賣營業ニ從事スルヲ得ヘシ右營業ニ從事スルニハ自身ニ之ヲ爲シ又ハ代理人ヲ以テシ或ハ一人ニテ之ヲ爲シ又ハ外國人若ハ內國臣民ト組合ヲ結ヒテ之ヲ爲スモ隨意タルヘク又家屋、倉庫ヲ所有シ、之ヲ借受ケ又ハ占有シ且住居スル爲又ハ職業ヲ營ム爲ニ土地ヲ借受クルコトヲ得但シ內國臣民ト同樣其ノ國ノ法律、警察規則及稅關規則ヲ遵守スルヲ要ス該臣民ハ他ノ一方ノ版圖內ノ各地、諸港及諸河ニシテ外國通商ノ爲ニ開カレ又ハ開カルヘキ場所ヘ船舶及貨物ヲ以テ自由ニ到ルヲ得且通商及航海ニ關シテハ政府、官吏、公吏、一私人、會社其ノ他何等ノ施設タルヲ問ハス其ノ名義ニ於テ又ハ其ノ利益ノ爲ニ賦課スル稅金又ハ取立金ハ其ノ性質又ハ名稱ノ如何ヲ論セス內國臣民ノ拂フ所ニ異ルカ又ハ之ヨリ多額ノモノヲ拂フコトナク內國臣民ト同一ノ取扱ヲ受クヘキモノトス然レトモ本條及前條中ニ揭クル規定ハ兩國ノ一方ニ於テ現ニ行ハレ又ハ行ハルルコトアルヘキ商業、工業、手工業、職業、所有權、警察、公安及衛生ニ關スル特別ノ法律、命令及規則ニシテ外國人一般ニ適用スヘキモノニハ何等ノ影響ヲ及ホササルモトノス第三條兩締約國ノ一方ノ臣民カ他ノ一方ノ版圖內ニ於テ住居、商業又ハ工業ノ爲ニ供スル家宅、倉庫、店鋪及之ニ屬スル構造物ハ侵スヘカラス右家宅及構造物ヘハ猥ニ侵入搜索スヘカラス又帳簿、書類又ハ簿記帳ヲ檢査點閱スヘカラス但シ內國臣民ニ對シ法律、命令及規則ヲ以テ制定セル條件及定式ニ據ルトキハ此ノ限ニ在ラス第四條日本國皇帝陛下ノ版圖內ノ生産又ハ製造ニ係ル物品ヲ何レノ地ヨリスルモ全露西亞國皇帝陛下ノ版圖內ニ輸入シ又全露西亞國皇帝陛下ノ版圖內ノ生産又ハ製造ニ係ル物品ヲ何レノ地ヨリスルモ日本國皇帝陛下ノ版圖內ニ輸入スルトキハ總テ他ノ各外國ノ生産又ハ製造ニ係ル同種ノ物品ニ賦課スル稅ニ異ルカ又ハ之ヨリ多額ノ稅ヲ賦課セラルルコトナカルヘシ兩締約國ノ一方ノ版圖內ヘ他ノ各外國ノ生産又ハ製造ニ係ル物品ノ輸入ヲ禁止スルニ非サレハ他ノ一方ノ版圖內ノ生産又ハ製造ニ係ル同種ノ物品ハ何レノ地ヨリ輸入セラルルモ之ヲ禁止スルコトナカルヘシ此ノ規定ハ人類ノ安全竝農業ニ有用ナル家畜及植物ノ生存ヲ保護スルニ必要ナル衛生上其ノ他ノ禁止ニ適用スヘカラサルモノトス第五條兩締約國ノ一方ノ版圖內ヨリ他ノ一方ノ版圖內ヘ輸出スル一切ノ物品ニハ他ノ各外國ヘ輸出スル同種物品ニ對シ賦課シ又ハ賦課スヘキモノニ異ルカ又ハ之ヨリ多額ノ稅金又ハ賦課金ヲ賦課スルコトナカルヘシ又兩締約國ノ一方ノ版圖內ニ於テ他ノ各外國ニ向ヒ物品ノ輸出ヲ禁止スルニ非サレハ他ノ一方ノ版圖內ヘ同種ノ物品ヲ輸出スルコトヲモ禁止セサルヘシ第六條兩締約國ノ一方ノ臣民ハ他ノ一方ノ版圖內ニ於テ內地通過稅、保稅倉庫、奬勵金、便益及戾稅ニ關シ最惠國ノ臣民又ハ人民ト全ク均等ノ取扱ヲ受クヘシ第七條日本國皇帝陛下ノ版圖內ノ諸港ヘ日本國ノ船舶ヲ以テ適法ニ輸入シ又ハ輸入セラルヘキ物品ハ亦露西亞國ノ船舶ヲ以テ同樣ニ之ヲ右諸港ニ輸入スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ何等ノ名稱ヲ以テスルヲ問ハス日本國船舶カ右樣ノ物品ヲ輸入スルトキ賦課スヘキモノニ異ルカ又ハ之ヨリ多額ノ稅金又ハ賦課金ヲ賦課セサルヘシ又全露西亞國皇帝陛下ノ版圖內ノ諸港ヘ露西亞國ノ船舶ヲ以テ適法ニ輸入シ又ハ輸入セラルヘキ物品ハ亦日本國ノ船舶ヲ以テ同樣ニ之ヲ右諸港ヘ輸入スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ何等ノ名稱ヲ以テスルヲ問ハス露西亞國船舶カ右樣ノ物品ヲ輸入スルトキ賦課スヘキモノニ異ルカ又ハ之ヨリ多額ノ稅金又ハ賦課金ヲ賦課セサルヘシ右相互對等ノ取扱ハ右物品ノ直ニ原産地ヨリ到ルト其ノ他ノ場所ヨリ到ルトヲ問ハス必ス之ヲ爲スモノトス輸出ニ關シテモ前項ノ場合ト同樣全ク均等ノ取扱ヲ爲スヘシ故ニ締約國ノ一方ヨリ適法ニ輸出シ又ハ輸出セラルヘキ物品ハ其ノ輸出ノ日本國船舶ニ依ルト露西亞國船舶ニ依ルトニ拘ハラス又其ノ仕向先ノ締約國ノ一港タルト第三國ノ一港タルトヲ問ハス締約國ノ版圖內ニ於テハ之ニ課スルニ同一ノ輸出稅ヲ以テシ又之ニ許スニ同一ノ奬勵金及戾稅ヲ以テスヘシ第八條政府、官吏、公吏、一私人、會社其ノ他ノ施設ノ名義ニ於テ又ハ其ノ利益ノ爲ニ賦課スル噸稅、港稅、水先案內料、燈臺稅、檢疫費其ノ他之ト類似ノ取立金ハ其ノ性質及名義ノ如何ニ拘ハラス同一ノ條件ヲ以テ且同樣ノ場合ニ於テ內國船舶一般ニ課スルモニノ非サレハ兩締約國ノ一方ハ其ノ版圖內ノ港ニ於テ之ヲ他ノ一方ノ船舶ニ課セサルヘシ此ノ如キ均等ノ取扱ハ兩國ノ船舶カ何レノ場所ヨリ來リ又何レノ場所ニ往クモノタトモリ相互同一タルヘキモノトス第九條兩締約國ノ一方ハ其ノ版圖內ノ港、灣、船渠、碇泊所又、河川ニ於テ船舶ノ繫留、貨物ノ船積及船卸ニ關スル一切ノ事項ニ就キ他ノ一方ノ締約國ノ船舶カ均霑セサル特典ヲ自國ノ船舶ニ許與セサルヘシ兩締約國ノ意思ハ本件ニ關シテモ亦兩國ノ船舶ニ對シ互ニ全ク均等ノ取扱ヲ爲スニ在ルモノトス第十條兩締約國ノ沿海貿易ハ本條約ニ於テ規定スルノ限ニ在ラス各其ノ法律、命令及規則ニ從ヒ之ヲ規定スヘキモノトス然レトモ全露西亞國皇帝陛下ノ版圖內ニ於ケル日本國臣民又ハ日本國皇帝陛下ノ版圖內ニ於ケル露西亞國臣民ハ此ノ事項ニ關シテハ各右法律、命令及規則ヲ以テ他ノ外國臣民又ハ人民ニ許與シ又ハ許與セラルヘキ諸權利ヲ享有スルモノトス全露西亞國皇帝陛下ノ版圖內ノ二箇以上ノ港ヘ仕向タケル荷物ヲ外國ニ於テ積載シタル日本國船舶及日本國皇帝陛下ノ版圖內ノ二箇以上ノ港ヘ仕向ケタル荷物ヲ外國ニ於テ積載シタル露西亞國船舶ハ外國貿易ヲ許サレタル仕向港ノ一ニ於テ其ノ積荷ノ一部ヲ陸揚シ而シテ其ノ最初ニ積載シタル荷物ノ剩餘ヲ陸揚スル爲他ノ一港又ハ數港ヘ進航スルコトヲ得ヘシ但シ常ニ兩國ノ法律及稅關規則ニ從フヘキモノトス第十一條兩締約國ノ一方ノ軍艦又ハ商船ニシテ暴風其ノ他ノ危難ニ遭遇シ避難ノ爲已ムヲ得ス他ノ一方ノ港ニ進入スルモノハ內國船舶ノ拂フヘキモノノ外何等ノ賦課金ヲ拂フコトナク其ノ港ニ於テ修繕ヲ爲シ一切ノ需用品ヲ求メ再ヒ航行スルヲ得ヘシ但シ商船ノ船長ニシテ其ノ費用ヲ支辨スル爲其ノ積荷ノ一部ヲ賣却スルヲ要スル場合ニハ該船長ハ其ノ寄港地ノ規則及稅表ヲ遵守スヘキモノトス兩締約國ノ一方ノ軍艦又ハ商船ニシテ他ノ一方ノ沿岸ニ於テ難破シ又ハ淺瀨ニ乘上ケタルトキハ地方官ヨリ其ノ事件ノ生シタル地方ニ駐在スル總領事、領事、副領事又ハ代辨領事ヘ其ノ旨ヲ通知スヘシ若其ノ地方ニ領事官在ラサルトキハ最近地方ノ總領事、領事、副領事又ハ代辨領事ヘ之ヲ通知スヘシ全露西亞國皇帝陛下ノ領水ニテ難破シ又ハ淺瀨ニ乘上ケタル日本國船舶ノ救助ニ關スル一切ノ手續ハ露西亞國法律、命令及規則ニ從テ之ヲ爲スヘク又相互ノ主義ニ基キ日本國皇帝陛下ノ領水ニテ難破シ又ハ淺瀨ニ乘上ケタル露西亞國船舶ニ關スル一切ノ救助處分ハ日本國法律、命令及規則ニ從テ之ヲ爲スヘシ右ノ如ク難破シ又ハ淺瀨ニ乘上ケタル船舶、其ノ器具其ノ他一切ノ附屬品、該船舶ヨリ救上ケタル貨物及商品、右等ノ諸物件ニシテ海中ニ投棄セラレタルモノ又ハ之ヲ賣却シタルトキハ其ノ收得金竝該遭難船內ニ發見セラレタル一切ノ書類ハ右船舶ノ持主又ハ代理人ヨリ要求スルトキハ之ニ引渡スヘシ右持主又ハ代理人ノ現場ニ在ラサルトキハ內國法律ニ定メタル期間內ニ當該總領事、領事、副領事又ハ代辨領事ヨリ請求アレハ之ヲ引渡スヘシ而シテ右領事官、持主又ハ代理人ハ內國船舶難破ノ場合ニ於テ拂フヘキ物品保存費、難破救助費其ノ他ノ費用ノミヲ拂フヘキモノトス難破船ヨリ救上ケタル貨物及商品ハ消費ノ爲ニ通關手續ヲ爲スモノニ非サレハ一切ノ關稅ヲ免除スヘシ但シ消費ノ爲ニ賣捌ク場合ニハ普通ノ關稅ヲ納ムルヲ要スルモノトス兩締約國ノ一方ノ臣民ニ屬スル船舶ニシテ他ノ一方ノ版圖內ニ於テ難破シ又ハ淺瀨ニ乘上ケタルトキ其ノ持主又ハ船長其ノ他ノ代理人カ不在ノ場合又ハ現場ニ在リテ之ヲ請求スル場合ニハ當該總領事、領事、副領事又ハ代辨領事ハ其ノ自國民ニ必要ナル輔助ヲ與フル爲干與スルコトヲ許サルヘキモノトス第十二條本條約ノ目的ニ關シテハ日本國ノ國法ニ從ヒ日本國船舶ト看做サルヘキ一切ノ船舶ハ之ヲ日本國船舶ト認メ又露西亞國ノ國法ニ從ヒ露西亞國船舶ト看做サルヘキ一切ノ船舶ハ之ヲ露西亞國船舶ト認ムヘシ兩締約國ノ一方ヨリ交付シタル船舶積量測度證書ハ追テ兩國間ニ協定スヘキ特別ノ取極ニ依リ他ノ一方ニ於テ之ヲ承認スヘシ第十三條兩締約國ノ一方ニ屬スル軍艦又ハ商船ノ乘組員ニシテ他ノ一方ノ版圖內ニ於テ脫船スル者アルニ際シ右船舶所屬國ノ領事又ハ其ノ代理官ヨリ其ノ逮捕、引渡ノコトヲ地方官ニ依賴スルトキハ該地方官ハ其ノ權力ノ及フ限該脫船人ヲ逮捕シ且之ヲ引渡ス爲助力ヲ爲スヲ要スルモノトス乘組員カ其ノ各自ノ所屬國ニ於テ脫船シタルトキハ此ノ規定ヲ適用セサルモノトス第十四條兩締約國ハ其ノ一方ノ通商、航海及工業ヲ他ノ一方ニ於テ總テ最惠國ノ基礎ニ置ク意志ヲ有スルニ因リ通商、航海、工業及手工業ニ關スル一切ノ事項ニ關シ其ノ一方ヨリ他ノ各外國ノ政府、船舶、臣民又ハ人民ニ旣ニ許與シ又ハ將來許與スヘキ一切ノ特典、殊遇又ハ免除ハ他ノ一方ノ政府、船舶又ハ臣民ニモ卽時ニ且條件ヲ附セスシテ之ヲ許與スヘキコトヲ約ス第十五條兩締約國ノ一方ハ他ノ一方ノ港、都府及其ノ他ノ場所ニ總領事、領事、副領事及代辨領事ヲ置クコトヲ得ヘシ但シ領事官ノ駐在ヲ認許スルニ便宜ナラサル場所ハ此ノ限ニ在ラス然レトモ右ノ制限ハ他ノ諸外國ニ對シ之ヲ適用スルニ非サレハ一方ノ締約國ニ對シテ之ヲ適用スルヲ得サルモノトス總領事、領事、副領事及代辨領事ハ相互ノ條件ヲ以テ一切ノ職務ヲ執行シ且其ノ駐在國ニ於テ最惠國ノ領事官ニ現ニ許與シ又ハ將來許與セラルヘキ一切ノ特典、特權、免除及職權ヲ享有スルコトヲ得ヘシ日本國政府ヨリ露西亞國ニ派遣スル外交代表機關及正式領事館竝之ニ附屬スル諸官吏ハ新聞雜誌竝學術、技藝及文學ノ著作物ノ檢閱ニ關シ相互ノ條件ヲ以テ完全ナル自由ヲ享有スヘシ第十六條兩締約國ノ一方ノ臣民ハ他ノ一方ノ版圖內ニ於テ法律ニ定ムル所ノ手續ヲ履行スルトキハ特許、商標及意匠ニ關シ內國臣民ト同一ノ保護ヲ受クヘシ兩締約國ハ成ルヘク速ニ工業及商業所有權ノ保護ニ關シ相互條件ヲ基礎トシテ一ノ條約ヲ締結セムカ爲商議ヲ開クコトヲ約ス第十七條本條約ハ批准交換後二箇月ヲ經テ實施セラレ左ニ規定シタル方法ニ依リ終了スル迄效力ヲ持續スヘシ兩締約國ノ一方ハ明治四十三年七月十七日卽千九百十年七月四日(十七日)以後ハ本條約ヲ終了セムコトヲ欲スル旨ヲ他ノ一方ヘ通知スルノ權利ヲ有スヘシ而シテ此ノ通知ヲ爲シタル後十二箇月ヲ經過シタルトキハ本條約ハ全然消滅ニ歸スヘキモノトス第十八條本條約ハ批准セラルヘシ而シテ其ノ批准書ハ成ルヘク速ニ且如何ナル場合ニ於テモ調印後四箇月以內ニ東京ニ於テ交換セラルヘシ右證據トシテ兩國全權委員ハ本條約ニ記名調印スルモノナリ明治四十年七月二十八日卽千九百七年七月十五日(二十八日)聖彼得堡ニ於テ之ヲ作ル本野一郞印イズヴォルスキー印ド、フィロゾフォフ印エヌ、マレヴスキー、マレヴィッチ印別約左記ノ留保ハ外國トノ貿易及關係ニ一般ニ適用セラルル規定ト毫モ關係ヲ有セサル例外ノモノナルニ因リ本條約ニ抵觸セサルモノト看做ス但シ如何ナル場合ニ於テモ左記諸例外ノ爲ノ外ハ本條約ニ定メタル內國臣民待遇及最惠國臣民待遇ノ原則ニ反シテ之ヲ引用スルコト能ハサルモノト知ルヘシ日本國ノ方ニ於テ第一條 日本國ト韓國トノ間ニ於ケル通商、工業及航海ニ關スル特別關係ノ規定第二條 日本國ト「マラッカ」海峽以東ニ於テ日本國ニ鄰接セル東亞細亞諸國トノ通商ニ關スル規定第三條 日本國政府カ留保スルコトアルヘキ各種ノ物品ニ關スル專賣權露西亞國ノ方ニ於テ第一條 幅員五拾「ヴェルスト」ニ達スル國境地帶內ノ地方貿易ヲ容易ナラシムル爲ニ接境諸國ニ現ニ許與シ又ハ將來許與スルコトアルヘキ殊遇第二條 輸入又ハ輸出ニ關シ「アルカンジェル」洲ノ住民及亞細亞露西亞國ノ北部沿岸(西比利亞)ニ現ニ許與シ又ハ將來許與スルコトアルヘキ殊遇第三條 千八百三十八年四月二十六日·五月八日露西亞國ト瑞典國及諾威國トノ間ニ締結シタル條約中ニ包含セラレタル特別條款第四條 露西亞國ト其ノ亞細亞ニ於ケル接境諸國トノ商業ニ關スル規定第五條 露西亞國ニ於テ建造シ且露西亞國臣民ニ屬スル船舶ニ與ヘラルル建造後三箇年間航海稅ノ免除第六條 露西亞國ニ於テ遊船俱樂部ト稱スル各種娛遊協會ニ許與シタル免除第七條 露西亞國政府カ留保スルコトアルヘキ各種ノ物品ニ關スル專賣權本別約ハ本日締結シタル條約中ニ其ノ全文ヲ記入シタルト同一ノ效力ヲ有スヘシ又本別約ハ之ヲ批准シ其ノ批准ハ該條約ノ批准書ト同時ニ之ヲ交換スヘシ右證據トシテ兩國全權委員ハ本別約ニ記名調印スルモノナリ明治四十年七月二十八日卽千九百七年七月十五日(二十八日)聖彼得堡ニ於テ之ヲ作ル本野一郞印イズヴォルスキー印ド、フイロゾフォフ印エヌ、マレヴスキー、マレヴィッチ印天佑ヲ保有シ萬世一系ノ帝祚ヲ踐ミタル日本國皇帝(御名)此ノ書ヲ見ル有衆ニ宣示ス朕明治四十年七月二十八日露西亞國聖彼得堡ニ於テ帝國全權委員カ露西亞國全權委員ト共ニ記名調印シタル日露通商航海條約及同條約附屬別約ヲ閱覽點檢シ之ヲ嘉納批准ス神武天皇卽位紀元二千五百六十年明治四十年九月九日東京宮城ニ於テ親ラ名ヲ署シ璽ヲ鈐セシム御名國璽外務大臣 子爵 林董
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朕樞密顧問の諮詢を經て日本國及露西亞國間に締結したる日露通商航海條約及同條約附屬別約を裁可し玆に之を公布せしむ御名御璽明治四十年九月十一日內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望外務大臣 子爵 林董條約第四號日露通商航海條約日本國皇帝陛下及全露西亞國皇帝陛下は兩國通商上の關係を進捗せしめむことを希望し「ぽーつます」に於て調印せられたる講和條約第十二條の規定に基き公正の主義と相互の利益を基礎として一の通商航海條約を締結することに決し之か爲日本國皇帝陛下は露西亞國駐箚特命全權公使法學博士本野一郞を全露西亞國皇通陛下は外務大臣「めーとる、ど、ら、くーる」、「あれきさんどる、いずゔぉるすきー」商工務大臣「まんぶる、ぢゆ、こんせいゆ、ど、らんぴーる」、「えきゅいえー、ど、ら、くーる」、「どみとり、ふぃろぞふぉふ」及上院議員「めーとる、ど、ら、くーる」、「にこら、まれゔすきー、まれゔぃっち」を各其の全權委員に任命せり因て各全權委員は互に其の委任狀を示し其の良好妥當なるを認め左の諸條を協議決定せり第一條兩締約國の一方の臣民は他の一方の版圖內に於て其の國の法律に遵由し何れの所に到り、旅行し又は居住するも全く隨意たるへく面して其の身體及財産に對しては完全なる保護を享受すへし該臣民は其の權利を伸張し及防護せむか爲自由に且容易に裁判所に訴出ることを得へく又該裁判所に於て其の權利を伸張し及防護するに付內國臣民と同樣に代言人、辯護人及代人を選擇し且使用することを得へく而して右の外司法取扱に關する各般の事項に關して內國臣民の享有する總ての權利及特典を享有すへし住居權、旅行權及各種動産の所有、遺言其の他の方法に因る動産の移轉及合法に取得する各種財産の處分に關し兩締約國の一方の臣民は他の一方の版圖內に在りて內國臣民又は最惠國の臣民若は人民と同樣の特典、自由及權利を享有し且此等の事項に關しては內國臣民又は最惠國の臣民若は人民に比して多額の稅金又は賦課金て徵收せらるることなかるへし兩締約國の一方の臣民は他の一方の版圖內に於て良心に關し完全なる自由を享有し及法律、命令及規則に從て公私の禮邦を行ふことを得竝其の宗敎上の慣習に從ひ埋葬又は火葬の爲設置保存せらるる適當便宜の地に自國人を埋葬又は火葬するの權利を享有すへし農業、不動産の所有權竝其の他何等の名義を以てするを問はす土地の保有に關する各般の事項に付ては露西亞國に於ける日本國臣民及日本國に於ける露西亞國臣民は最惠國の臣民又は人民と均等の取扱を受くへきものす何等の名義を以てするも該臣民をして內國臣民又は最惠國の臣民若は人民の現に納付し又は將來納付すへきものに異るか又は之より多額の賦課金又は租稅を納付せしむるを得す兩締約國の一方の臣民にして他の一方の版圖內に住居する者は陸軍、海軍、護國軍、民兵等に論なく總て强迫兵役を免かれ且其服役の代として取立る所の一切の納金を免かれ又一切の强募公債及軍事上の賦斂又は捐資を免かるへし前記の免除は不動産の所有に附著する所の賦課金及一般の內國臣民か不動産の所有者、小作人、賃借者又は保有者として負擔することあるへき軍事上の賦役及徵發を包含せさるものとす第二條兩締約國の間には相互に通商航海の自由あるへし兩締約國の一方の臣民は他の一方の版圖內何れの所に於ても其の國の法律、命令及規則に遵由して總て工業又は手工業に從事し正業に屬する各種の生産物、製造品及貨物の卸賣又は小賣營業に從事するを得へし右營業に從事するには自身に之を爲し又は代理人を以てし或は一人にて之を爲し又は外國人若は內國臣民と組合を結ひて之を爲すも隨意たるへく又家屋、倉庫を所有し、之を借受け又は占有し且住居する爲又は職業を營む爲に土地を借受くることを得但し內國臣民と同樣其の國の法律、警察規則及稅關規則を遵守するを要す該臣民は他の一方の版圖內の各地、諸港及諸河にして外國通商の爲に開かれ又は開かるへき場所へ船舶及貨物を以て自由に到るを得且通商及航海に關しては政府、官吏、公吏、一私人、會社其の他何等の施設たるを問はす其の名義に於て又は其の利益の爲に賦課する稅金又は取立金は其の性質又は名稱の如何を論せす內國臣民の拂ふ所に異るか又は之より多額のものを拂ふことなく內國臣民と同一の取扱を受くへきものとす然れとも本條及前條中に揭くる規定は兩國の一方に於て現に行はれ又は行はるることあるへき商業、工業、手工業、職業、所有權、警察、公安及衛生に關する特別の法律、命令及規則にして外國人一般に適用すへきものには何等の影響を及ほささるもとのす第三條兩締約國の一方の臣民か他の一方の版圖內に於て住居、商業又は工業の爲に供する家宅、倉庫、店鋪及之に屬する構造物は侵すへからす右家宅及構造物へは猥に侵入搜索すへからす又帳簿、書類又は簿記帳を檢査點閱すへからす但し內國臣民に對し法律、命令及規則を以て制定せる條件及定式に據るときは此の限に在らす第四條日本國皇帝陛下の版圖內の生産又は製造に係る物品を何れの地よりするも全露西亞國皇帝陛下の版圖內に輸入し又全露西亞國皇帝陛下の版圖內の生産又は製造に係る物品を何れの地よりするも日本國皇帝陛下の版圖內に輸入するときは總て他の各外國の生産又は製造に係る同種の物品に賦課する稅に異るか又は之より多額の稅を賦課せらるることなかるへし兩締約國の一方の版圖內へ他の各外國の生産又は製造に係る物品の輸入を禁止するに非されは他の一方の版圖內の生産又は製造に係る同種の物品は何れの地より輸入せらるるも之を禁止することなかるへし此の規定は人類の安全竝農業に有用なる家畜及植物の生存を保護するに必要なる衛生上其の他の禁止に適用すへからさるものとす第五條兩締約國の一方の版圖內より他の一方の版圖內へ輸出する一切の物品には他の各外國へ輸出する同種物品に對し賦課し又は賦課すへきものに異るか又は之より多額の稅金又は賦課金を賦課することなかるへし又兩締約國の一方の版圖內に於て他の各外國に向ひ物品の輸出を禁止するに非されは他の一方の版圖內へ同種の物品を輸出することをも禁止せさるへし第六條兩締約國の一方の臣民は他の一方の版圖內に於て內地通過稅、保稅倉庫、奬勵金、便益及戾稅に關し最惠國の臣民又は人民と全く均等の取扱を受くへし第七條日本國皇帝陛下の版圖內の諸港へ日本國の船舶を以て適法に輸入し又は輸入せらるへき物品は亦露西亞國の船舶を以て同樣に之を右諸港に輸入することを得此の場合に於ては何等の名稱を以てするを問はす日本國船舶か右樣の物品を輸入するとき賦課すへきものに異るか又は之より多額の稅金又は賦課金を賦課せさるへし又全露西亞國皇帝陛下の版圖內の諸港へ露西亞國の船舶を以て適法に輸入し又は輸入せらるへき物品は亦日本國の船舶を以て同樣に之を右諸港へ輸入することを得此の場合に於ては何等の名稱を以てするを問はす露西亞國船舶か右樣の物品を輸入するとき賦課すへきものに異るか又は之より多額の稅金又は賦課金を賦課せさるへし右相互對等の取扱は右物品の直に原産地より到ると其の他の場所より到るとを問はす必す之を爲すものとす輸出に關しても前項の場合と同樣全く均等の取扱を爲すへし故に締約國の一方より適法に輸出し又は輸出せらるへき物品は其の輸出の日本國船舶に依ると露西亞國船舶に依るとに拘はらす又其の仕向先の締約國の一港たると第三國の一港たるとを問はす締約國の版圖內に於ては之に課するに同一の輸出稅を以てし又之に許すに同一の奬勵金及戾稅を以てすへし第八條政府、官吏、公吏、一私人、會社其の他の施設の名義に於て又は其の利益の爲に賦課する噸稅、港稅、水先案內料、燈臺稅、檢疫費其の他之と類似の取立金は其の性質及名義の如何に拘はらす同一の條件を以て且同樣の場合に於て內國船舶一般に課するもにの非されは兩締約國の一方は其の版圖內の港に於て之を他の一方の船舶に課せさるへし此の如き均等の取扱は兩國の船舶か何れの場所より來り又何れの場所に往くものたともり相互同一たるへきものとす第九條兩締約國の一方は其の版圖內の港、灣、船渠、碇泊所又、河川に於て船舶の繫留、貨物の船積及船卸に關する一切の事項に就き他の一方の締約國の船舶か均霑せさる特典を自國の船舶に許與せさるへし兩締約國の意思は本件に關しても亦兩國の船舶に對し互に全く均等の取扱を爲すに在るものとす第十條兩締約國の沿海貿易は本條約に於て規定するの限に在らす各其の法律、命令及規則に從ひ之を規定すへきものとす然れとも全露西亞國皇帝陛下の版圖內に於ける日本國臣民又は日本國皇帝陛下の版圖內に於ける露西亞國臣民は此の事項に關しては各右法律、命令及規則を以て他の外國臣民又は人民に許與し又は許與せらるへき諸權利を享有するものとす全露西亞國皇帝陛下の版圖內の二箇以上の港へ仕向たける荷物を外國に於て積載したる日本國船舶及日本國皇帝陛下の版圖內の二箇以上の港へ仕向けたる荷物を外國に於て積載したる露西亞國船舶は外國貿易を許されたる仕向港の一に於て其の積荷の一部を陸揚し而して其の最初に積載したる荷物の剩餘を陸揚する爲他の一港又は數港へ進航することを得へし但し常に兩國の法律及稅關規則に從ふへきものとす第十一條兩締約國の一方の軍艦又は商船にして暴風其の他の危難に遭遇し避難の爲已むを得す他の一方の港に進入するものは內國船舶の拂ふへきものの外何等の賦課金を拂ふことなく其の港に於て修繕を爲し一切の需用品を求め再ひ航行するを得へし但し商船の船長にして其の費用を支辨する爲其の積荷の一部を賣却するを要する場合には該船長は其の寄港地の規則及稅表を遵守すへきものとす兩締約國の一方の軍艦又は商船にして他の一方の沿岸に於て難破し又は淺瀨に乘上けたるときは地方官より其の事件の生したる地方に駐在する總領事、領事、副領事又は代辨領事へ其の旨を通知すへし若其の地方に領事官在らさるときは最近地方の總領事、領事、副領事又は代辨領事へ之を通知すへし全露西亞國皇帝陛下の領水にて難破し又は淺瀨に乘上けたる日本國船舶の救助に關する一切の手續は露西亞國法律、命令及規則に從て之を爲すへく又相互の主義に基き日本國皇帝陛下の領水にて難破し又は淺瀨に乘上けたる露西亞國船舶に關する一切の救助處分は日本國法律、命令及規則に從て之を爲すへし右の如く難破し又は淺瀨に乘上けたる船舶、其の器具其の他一切の附屬品、該船舶より救上けたる貨物及商品、右等の諸物件にして海中に投棄せられたるもの又は之を賣却したるときは其の收得金竝該遭難船內に發見せられたる一切の書類は右船舶の持主又は代理人より要求するときは之に引渡すへし右持主又は代理人の現場に在らさるときは內國法律に定めたる期間內に當該總領事、領事、副領事又は代辨領事より請求あれは之を引渡すへし而して右領事官、持主又は代理人は內國船舶難破の場合に於て拂ふへき物品保存費、難破救助費其の他の費用のみを拂ふへきものとす難破船より救上けたる貨物及商品は消費の爲に通關手續を爲すものに非されは一切の關稅を免除すへし但し消費の爲に賣捌く場合には普通の關稅を納むるを要するものとす兩締約國の一方の臣民に屬する船舶にして他の一方の版圖內に於て難破し又は淺瀨に乘上けたるとき其の持主又は船長其の他の代理人か不在の場合又は現場に在りて之を請求する場合には當該總領事、領事、副領事又は代辨領事は其の自國民に必要なる輔助を與ふる爲干與することを許さるへきものとす第十二條本條約の目的に關しては日本國の國法に從ひ日本國船舶と看做さるへき一切の船舶は之を日本國船舶と認め又露西亞國の國法に從ひ露西亞國船舶と看做さるへき一切の船舶は之を露西亞國船舶と認むへし兩締約國の一方より交付したる船舶積量測度證書は追て兩國間に協定すへき特別の取極に依り他の一方に於て之を承認すへし第十三條兩締約國の一方に屬する軍艦又は商船の乘組員にして他の一方の版圖內に於て脫船する者あるに際し右船舶所屬國の領事又は其の代理官より其の逮捕、引渡のことを地方官に依賴するときは該地方官は其の權力の及ふ限該脫船人を逮捕し且之を引渡す爲助力を爲すを要するものとす乘組員か其の各自の所屬國に於て脫船したるときは此の規定を適用せさるものとす第十四條兩締約國は其の一方の通商、航海及工業を他の一方に於て總て最惠國の基礎に置く意志を有するに因り通商、航海、工業及手工業に關する一切の事項に關し其の一方より他の各外國の政府、船舶、臣民又は人民に旣に許與し又は將來許與すへき一切の特典、殊遇又は免除は他の一方の政府、船舶又は臣民にも卽時に且條件を附せすして之を許與すへきことを約す第十五條兩締約國の一方は他の一方の港、都府及其の他の場所に總領事、領事、副領事及代辨領事を置くことを得へし但し領事官の駐在を認許するに便宜ならさる場所は此の限に在らす然れとも右の制限は他の諸外國に對し之を適用するに非されは一方の締約國に對して之を適用するを得さるものとす總領事、領事、副領事及代辨領事は相互の條件を以て一切の職務を執行し且其の駐在國に於て最惠國の領事官に現に許與し又は將來許與せらるへき一切の特典、特權、免除及職權を享有することを得へし日本國政府より露西亞國に派遣する外交代表機關及正式領事館竝之に附屬する諸官吏は新聞雜誌竝學術、技藝及文學の著作物の檢閱に關し相互の條件を以て完全なる自由を享有すへし第十六條兩締約國の一方の臣民は他の一方の版圖內に於て法律に定むる所の手續を履行するときは特許、商標及意匠に關し內國臣民と同一の保護を受くへし兩締約國は成るへく速に工業及商業所有權の保護に關し相互條件を基礎として一の條約を締結せむか爲商議を開くことを約す第十七條本條約は批准交換後二箇月を經て實施せられ左に規定したる方法に依り終了する迄效力を持續すへし兩締約國の一方は明治四十三年七月十七日卽千九百十年七月四日(十七日)以後は本條約を終了せむことを欲する旨を他の一方へ通知するの權利を有すへし而して此の通知を爲したる後十二箇月を經過したるときは本條約は全然消滅に歸すへきものとす第十八條本條約は批准せらるへし而して其の批准書は成るへく速に且如何なる場合に於ても調印後四箇月以內に東京に於て交換せらるへし右證據として兩國全權委員は本條約に記名調印するものなり明治四十年七月二十八日卽千九百七年七月十五日(二十八日)聖彼得堡に於て之を作る本野一郞印いずゔぉるすきー印ど、ふぃろぞふぉふ印えぬ、まれゔすきー、まれゔぃっち印別約左記の留保は外國との貿易及關係に一般に適用せらるる規定と毫も關係を有せさる例外のものなるに因り本條約に抵觸せさるものと看做す但し如何なる場合に於ても左記諸例外の爲の外は本條約に定めたる內國臣民待遇及最惠國臣民待遇の原則に反して之を引用すること能はさるものと知るへし日本國の方に於て第一條 日本國と韓國との間に於ける通商、工業及航海に關する特別關係の規定第二條 日本國と「まらっか」海峽以東に於て日本國に鄰接せる東亞細亞諸國との通商に關する規定第三條 日本國政府か留保することあるへき各種の物品に關する專賣權露西亞國の方に於て第一條 幅員五拾「ゔぇるすと」に達する國境地帶內の地方貿易を容易ならしむる爲に接境諸國に現に許與し又は將來許與することあるへき殊遇第二條 輸入又は輸出に關し「あるかんじぇる」洲の住民及亞細亞露西亞國の北部沿岸(西比利亞)に現に許與し又は將來許與することあるへき殊遇第三條 千八百三十八年四月二十六日·五月八日露西亞國と瑞典國及諾威國との間に締結したる條約中に包含せられたる特別條款第四條 露西亞國と其の亞細亞に於ける接境諸國との商業に關する規定第五條 露西亞國に於て建造し且露西亞國臣民に屬する船舶に與へらるる建造後三箇年間航海稅の免除第六條 露西亞國に於て遊船俱樂部と稱する各種娛遊協會に許與したる免除第七條 露西亞國政府か留保することあるへき各種の物品に關する專賣權本別約は本日締結したる條約中に其の全文を記入したると同一の效力を有すへし又本別約は之を批准し其の批准は該條約の批准書と同時に之を交換すへし右證據として兩國全權委員は本別約に記名調印するものなり明治四十年七月二十八日卽千九百七年七月十五日(二十八日)聖彼得堡に於て之を作る本野一郞印いずゔぉるすきー印ど、ふいろぞふぉふ印えぬ、まれゔすきー、まれゔぃっち印天佑を保有し萬世一系の帝祚を踐みたる日本國皇帝(御名)此の書を見る有衆に宣示す朕明治四十年七月二十八日露西亞國聖彼得堡に於て帝國全權委員か露西亞國全權委員と共に記名調印したる日露通商航海條約及同條約附屬別約を閱覽點檢し之を嘉納批准す神武天皇卽位紀元二千五百六十年明治四十年九月九日東京宮城に於て親ら名を署し璽を鈐せしむ御名國璽外務大臣 子爵 林董
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원문
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1908-08-16
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제65호 부록
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條約
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韓國ニ於ケル發明、意匠、商標及著作權ノ保護ニ關スル日米條約
(條約第4號)
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朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ亞米利加合衆國華盛頓ニ於テ日米兩國全權委員ノ記名調印シタル韓國ニ於ケル發明、意匠、商標及著作權ノ保護ニ關スル日米條約ヲ批准シ玆ニ之ヲ公布セシム御名御璽明治四十一年八月十二日內閣總理大臣 侯爵 桂太郞外務大臣 子爵 寺內正毅條約第四號日本國皇帝陛下及亞米利加合衆國大統領ハ韓國ニ於テ其ノ臣民又ハ人民ノ發明、意匠、商標及著作權ノ保護ヲ確保セムコトヲ欲シ之カ爲條約ヲ締結スルコトニ決シ日本國皇帝陛下ハ亞米利加合衆國駐箚特命全權大使正三位勳一等男爵高平小五郞ヲ亞米利加合衆國大統領ハ其ノ國務大臣代理ロバート、ベーコンヲ各其ノ全權委員ニ任命セリ因テ各全權委員ハ互ニ其ノ委任狀ヲ示シ其ノ良好妥當ナルヲ認メ左ノ諸條ヲ協議決定セリ第一條日本國政府ハ發明、意匠、商標及著作權ニ關シ現ニ日本國ニ行ハルルト同樣ノ法令カ本條約ノ實施ト同時ニ韓國ニ於テ施行セラルルコトト爲スヘシ右法令ハ韓國ニ於ケル米國人民ニ對シテモ日本國臣民及韓國臣民ニ對スルト同シク適用セラルヘキモノトス前項ニ指示シタル日本國ノ現行法令カ今後改正セラルルトキハ韓國ニ於テ施行セラレタル法令モ亦改正法令ノ趣旨ニ依リ修正セラルヘシ第二條亞米利加合衆國政府ハ米國人民ニシテ韓國內ニ於テ保護ヲ受クヘキ特許發明、登錄意匠、登錄商標又ハ著作權ヲ侵害シタルモノアリタル場合ニ右米國人民カ本件ニ關シ韓國ニ於ケル日本國裁判所ノ裁判管轄權ニ專屬スヘキコトヲ約シ合衆國ノ治外法權ハ此ノ事ニ關シ之ヲ抛棄スルモノトス第三條亞米利加合衆國ノ所屬地ノ人民ハ本條約ノ適用上米國人民ト同一ノ取扱ヲ受クヘキモノトス第四條韓國臣民ニシテ合衆國ノ法令ニ定メタル手續ヲ履行スルトキハ同國內ニ於テ發明、意匠、商標及著作權ニ關シ米國人民ト同一ノ保護ヲ享受スヘシ第五條第一條ニ依ル法令ノ施行以前米國人民カ日本國ニ於テ特許ヲ受ケタル發明又ハ登錄ヲ受ケタル意匠、商標若ハ著作權ハ別段ノ手續ヲ要セス日本國臣民又ハ韓國臣民ノ同樣ニ特許又ハ登錄ヲ受ケタル工業所有權又ハ著作權カ韓國內ニ於テ保護セラルルト同一ノ保護ヲ本條約ニ依リ同國內ニ於テ享受スヘシ締約國ノ一方ノ臣民若ハ人民又ハ韓國臣民カ本條約實施以前合衆國ニ於テ特許ヲ受ケタル發明又ハ登錄ヲ受ケタル意匠、商標若ハ權作權ハ其ノ前記法令ノ規定ニ依リ特許又ハ登錄スヘカラサル性質ヲ有スルモノニ非サル限リ且本條約實施後一年內ニ特許又ハ登錄ヲ受クル場合ニ限リ何等料金ヲ要スルコトナク韓國ニ於テ特許又ハ登錄セラルヘシ第六條日本國政府ハ商號ノ保護ニ付千八百八十三年三月二十日巴里ニ於テ調印セラレタル萬國工業所有權保護同盟條約ニ依リ米國人民カ日本國ノ版圖內ニ於テ受クルト同一ノ取扱ヲ韓國內ニ於テ米國人民ニ付與スヘキコトヲ約ス行名ハ本條約ノ適用上之ヲ商號ト看做スヘシ第七條本條約ハ之ヲ批准シ其ノ批准書ハ成ルヘク速ニ東京ニ於テ交換セラルヘシ本條約ハ批准書交換ノ日ヨリ十日ヲ經タル後實施セラルヘシ右證據トシテ各全權委員ハ之ニ記名調印スルモノナリ明治四十一年五月十九日卽西曆千九百八年五月十九日華盛頓ニ於テ本書二通ヲ作ル高平小五郞 印ロバート、ベーコン 印天佑ヲ保有シ萬世一系ノ帝祚ヲ踐ミタル日本國皇帝(御名)此ノ書ヲ見ル有衆ニ宣示ス朕明治四十一年五月十九日亞米利加合衆國華盛頓ニ於テ帝國全權委員カ亞米利加合衆國全權委員ト共ニ記名調名シタル韓國ニ於ケル發明、意匠、商標及著作權ノ保護ニ關スル條約ヲ閱覽點檢シ之ヲ嘉納批准ス神武天皇卽位紀元二千五百六十八年明治四十一年八月六日東京宮城ニ於テ親ラ名ヲ署シ璽ヲ鈴セシム御名御璽外務大臣 子爵 寺內正毅
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朕樞密顧問の諮詢を經て亞米利加合衆國華盛頓に於て日米兩國全權委員の記名調印したる韓國に於ける發明、意匠、商標及著作權の保護に關する日米條約を批准し玆に之を公布せしむ御名御璽明治四十一年八月十二日內閣總理大臣 侯爵 桂太郞外務大臣 子爵 寺內正毅條約第四號日本國皇帝陛下及亞米利加合衆國大統領は韓國に於て其の臣民又は人民の發明、意匠、商標及著作權の保護を確保せむことを欲し之か爲條約を締結することに決し日本國皇帝陛下は亞米利加合衆國駐箚特命全權大使正三位勳一等男爵高平小五郞を亞米利加合衆國大統領は其の國務大臣代理ろばーと、べーこんを各其の全權委員に任命せり因て各全權委員は互に其の委任狀を示し其の良好妥當なるを認め左の諸條を協議決定せり第一條日本國政府は發明、意匠、商標及著作權に關し現に日本國に行はるると同樣の法令か本條約の實施と同時に韓國に於て施行せらるることと爲すへし右法令は韓國に於ける米國人民に對しても日本國臣民及韓國臣民に對すると同しく適用せらるへきものとす前項に指示したる日本國の現行法令か今後改正せらるるときは韓國に於て施行せられたる法令も亦改正法令の趣旨に依り修正せらるへし第二條亞米利加合衆國政府は米國人民にして韓國內に於て保護を受くへき特許發明、登錄意匠、登錄商標又は著作權を侵害したるものありたる場合に右米國人民か本件に關し韓國に於ける日本國裁判所の裁判管轄權に專屬すへきことを約し合衆國の治外法權は此の事に關し之を抛棄するものとす第三條亞米利加合衆國の所屬地の人民は本條約の適用上米國人民と同一の取扱を受くへきものとす第四條韓國臣民にして合衆國の法令に定めたる手續を履行するときは同國內に於て發明、意匠、商標及著作權に關し米國人民と同一の保護を享受すへし第五條第一條に依る法令の施行以前米國人民か日本國に於て特許を受けたる發明又は登錄を受けたる意匠、商標若は著作權は別段の手續を要せす日本國臣民又は韓國臣民の同樣に特許又は登錄を受けたる工業所有權又は著作權か韓國內に於て保護せらるると同一の保護を本條約に依り同國內に於て享受すへし締約國の一方の臣民若は人民又は韓國臣民か本條約實施以前合衆國に於て特許を受けたる發明又は登錄を受けたる意匠、商標若は權作權は其の前記法令の規定に依り特許又は登錄すへからさる性質を有するものに非さる限り且本條約實施後一年內に特許又は登錄を受くる場合に限り何等料金を要することなく韓國に於て特許又は登錄せらるへし第六條日本國政府は商號の保護に付千八百八十三年三月二十日巴里に於て調印せられたる萬國工業所有權保護同盟條約に依り米國人民か日本國の版圖內に於て受くると同一の取扱を韓國內に於て米國人民に付與すへきことを約す行名は本條約の適用上之を商號と看做すへし第七條本條約は之を批准し其の批准書は成るへく速に東京に於て交換せらるへし本條約は批准書交換の日より十日を經たる後實施せらるへし右證據として各全權委員は之に記名調印するものなり明治四十一年五月十九日卽西曆千九百八年五月十九日華盛頓に於て本書二通を作る高平小五郞 印ろばーと、べーこん 印天佑を保有し萬世一系の帝祚を踐みたる日本國皇帝(御名)此の書を見る有衆に宣示す朕明治四十一年五月十九日亞米利加合衆國華盛頓に於て帝國全權委員か亞米利加合衆國全權委員と共に記名調名したる韓國に於ける發明、意匠、商標及著作權の保護に關する條約を閱覽點檢し之を嘉納批准す神武天皇卽位紀元二千五百六十八年明治四十一年八月六日東京宮城に於て親ら名を署し璽を鈴せしむ御名御璽外務大臣 子爵 寺內正毅
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원문
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1908-08-16
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제65호 부록
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條約
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淸國ニ於ケル發明、意匠、商標及著作權ノ相互保護ニ關スル日米條約
(條約第5號)
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朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ亞米利加合衆國華盛頓ニ於テ日米兩國全權委員ノ記名調印シタル淸國ニ於ケル發明、意匠、商標及著作權ノ相互保護ニ關スル日米條約ヲ批准シ玆ニ之ヲ公布セシム御名御璽明治四十一年八月十二日內閣總理大臣 侯爵 桂太郞外務大臣 子爵 寺內正毅條約第五號日本國皇帝陛下及亞米利加合衆國大統領ハ淸國ニ於テ其ノ臣民又ハ人民ノ發明、意匠、商標及著作權ノ相互保護ヲ確保セムコトヲ欲シ之カ爲條約ヲ締結スルコトニ決シ日本國皇帝陛下ハ亞米利加合衆國駐箚特命全權大使正三位勳一等男爵高平小五郞ヲ亞米利加合衆國大統領ハ其ノ國務大臣代理ロバート、ベーコンヲ各其ノ全權委員ニ任命セリ因テ各全權委員ハ互ニ其ノ委任狀ヲ示シ其ノ良好妥當ナルヲ認メ左ノ諸條ヲ協議決定セリ第一條締約國ノ一方ノ臣民又ハ人民カ他ノ一方ノ當該官衙ニ於テ特許ヲ受ケタル發明又ハ登錄ヲ受ケタル意匠若ハ商標ハ淸國各地ニ於テ右他ノ一方ノ臣民又ハ人民ノ侵害ニ對シ右他ノ一方ノ版圖內ニ於ケルト同一ノ保護ヲ享受スヘシ第二條締約國ノ一方ノ臣民又ハ人民ハ文學及美術ノ著作物竝寫眞ノ著作權ニ付淸國內ニ於テ他ノ一方ノ版圖內ニ於ケルト同一程度ノ保護ヲ享受スヘシ第三條締約國ノ一方ノ臣民又ハ人民カ本條約ニ依リ保護ヲ受クヘキ特許發明、登錄意匠、登錄商標又ハ著作權ヲ侵害シタルトキハ被害者ハ加害者所屬國ノ當該裁判所又ハ領事館ニ於テ其ノ國ノ臣民又ハ人民ト同一ノ權利及保護ヲ享受スヘシ第四條兩締約國ハ商號ノ保護ニ付千八百八十三年三月二十日巴里ニ於テ調印セヲレタル萬國工業所有權保護同盟條約ニ作リ其ノ版圖內ニ於テ對手國ノ臣民又ハ人民カ受クルト同一ノ取扱ヲ淸國內ニ於テ右對手國ノ臣民又ハ人民ニ付與スヘキコトヲ約ス行名ハ本條約ノ適用上之ヲ商號ト看做スヘシ第五條本條約ノ適用上韓國臣民ハ日本國臣民ト、亞米利加合衆國ノ所屬地ノ人民ハ米國人民ト淸國內ニ於テ同一ノ取扱ヲ受クヘキモノトス第六條兩締約國及其ノ治外法權ヲ行使スルコトヲ得ル他國ニ關シ成ルヘク本條約ノ規定ヲ準用スヘキコトヲ約ス本條約ヨリ生スル一切ノ權利ハ兩締約國ノ所屬地及租借地ニ於テモ尊重セラルヘク右權利ノ侵害ニ對スル法律上ノ救濟ハ加害者所屬國ノ當該裁判所ニ於テ之ヲ與フルモノトス第七條本條約實施ノ際本條約ノ保護スル他人ノ商標又ハ之ニ類似スルモノヲ不正ニ附シタル商品ヲ有スル者ハ右資施後六月ヲ限リ其ノ商標ヲ除去シ若バ抹消スルカ又ハ該商品ヲ淸國市場ヨリ撤去スルコトヲ要ス第八條締約國ノ一方ノ臣民又ハ人民カ明治三十九年五月十日以後公ニシタル文學及美術ノ著作物竝寫眞ニシテ本條約ニ依リ保護ヲ受クヘキモノヲ本條約實施前淸國內ニ於テ許可ナクシテ複製シタル他ノ一方ノ臣民又ハ人民ハ右實施後一年ヲ限リ該複製物ノ發賣又ハ頒布ヲ廢止スヘキモノトス第九條本條約ハ之ヲ批准シ其ノ批准書ハ成ルヘク速ニ東京ニ於テ交換セラルヘシ本條約ハ批准書交換ノ日ヨリ十日ヲ經ダル後韓國ニ於ケル發明、意匠、商標及著作權ノ保護ニ關スル條約ト共ニ實施セラルヘシ右證據トシテ各全權委員ハ之ニ記名調印スルモノナリ明治四十一年五月十九日卽西曆千九百八年五月十九日華盛頓ニ於テ本書二通ヲ作ル高平小五郞 印ロバート、ベーコン 印天佑ヲ保有シ萬世一系ノ帝祚ヲ踐ミタル日本國皇帝(御名)此ノ書ヲ見ル有衆ニ宣示ス朕明治四十一年五月十九日亞米利加合衆國華盛頓ニ於テ帝國全權委員カ亞米利加合衆國全權委員ト共ニ記名調印シタル淸國ニ於ケル發明、意匠、商標及著作權ノ相互保護ニ關スル條約ヲ閱覽點檢シ之ヲ嘉納批准ス神武天皇卽位紀元二千五百六十八年明治四十一年八月六日東京宮城ニ於テ親ラ名ヲ署シ璽ヲ鈴セシム御名御璽外務大臣 子爵 寺內正毅
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朕樞密顧問の諮詢を經て亞米利加合衆國華盛頓に於て日米兩國全權委員の記名調印したる淸國に於ける發明、意匠、商標及著作權の相互保護に關する日米條約を批准し玆に之を公布せしむ御名御璽明治四十一年八月十二日內閣總理大臣 侯爵 桂太郞外務大臣 子爵 寺內正毅條約第五號日本國皇帝陛下及亞米利加合衆國大統領は淸國に於て其の臣民又は人民の發明、意匠、商標及著作權の相互保護を確保せむことを欲し之か爲條約を締結することに決し日本國皇帝陛下は亞米利加合衆國駐箚特命全權大使正三位勳一等男爵高平小五郞を亞米利加合衆國大統領は其の國務大臣代理ろばーと、べーこんを各其の全權委員に任命せり因て各全權委員は互に其の委任狀を示し其の良好妥當なるを認め左の諸條を協議決定せり第一條締約國の一方の臣民又は人民か他の一方の當該官衙に於て特許を受けたる發明又は登錄を受けたる意匠若は商標は淸國各地に於て右他の一方の臣民又は人民の侵害に對し右他の一方の版圖內に於けると同一の保護を享受すへし第二條締約國の一方の臣民又は人民は文學及美術の著作物竝寫眞の著作權に付淸國內に於て他の一方の版圖內に於けると同一程度の保護を享受すへし第三條締約國の一方の臣民又は人民か本條約に依り保護を受くへき特許發明、登錄意匠、登錄商標又は著作權を侵害したるときは被害者は加害者所屬國の當該裁判所又は領事館に於て其の國の臣民又は人民と同一の權利及保護を享受すへし第四條兩締約國は商號の保護に付千八百八十三年三月二十日巴里に於て調印せをれたる萬國工業所有權保護同盟條約に作り其の版圖內に於て對手國の臣民又は人民か受くると同一の取扱を淸國內に於て右對手國の臣民又は人民に付與すへきことを約す行名は本條約の適用上之を商號と看做すへし第五條本條約の適用上韓國臣民は日本國臣民と、亞米利加合衆國の所屬地の人民は米國人民と淸國內に於て同一の取扱を受くへきものとす第六條兩締約國及其の治外法權を行使することを得る他國に關し成るへく本條約の規定を準用すへきことを約す本條約より生する一切の權利は兩締約國の所屬地及租借地に於ても尊重せらるへく右權利の侵害に對する法律上の救濟は加害者所屬國の當該裁判所に於て之を與ふるものとす第七條本條約實施の際本條約の保護する他人の商標又は之に類似するものを不正に附したる商品を有する者は右資施後六月を限り其の商標を除去し若ば抹消するか又は該商品を淸國市場より撤去することを要す第八條締約國の一方の臣民又は人民か明治三十九年五月十日以後公にしたる文學及美術の著作物竝寫眞にして本條約に依り保護を受くへきものを本條約實施前淸國內に於て許可なくして複製したる他の一方の臣民又は人民は右實施後一年を限り該複製物の發賣又は頒布を廢止すへきものとす第九條本條約は之を批准し其の批准書は成るへく速に東京に於て交換せらるへし本條約は批准書交換の日より十日を經だる後韓國に於ける發明、意匠、商標及著作權の保護に關する條約と共に實施せらるへし右證據として各全權委員は之に記名調印するものなり明治四十一年五月十九日卽西曆千九百八年五月十九日華盛頓に於て本書二通を作る高平小五郞 印ろばーと、べーこん 印天佑を保有し萬世一系の帝祚を踐みたる日本國皇帝(御名)此の書を見る有衆に宣示す朕明治四十一年五月十九日亞米利加合衆國華盛頓に於て帝國全權委員か亞米利加合衆國全權委員と共に記名調印したる淸國に於ける發明、意匠、商標及著作權の相互保護に關する條約を閱覽點檢し之を嘉納批准す神武天皇卽位紀元二千五百六十八年明治四十一年八月六日東京宮城に於て親ら名を署し璽を鈴せしむ御名御璽外務大臣 子爵 寺內正毅
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